山北紀彦の手記

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ここでは、『ドンパラ』に掲載された山北の手記を転載しております。
小さなころから物をたたくのが好きだった僕は、ある日ラジオから流れてきたモーレツな音をあわてて録音しました。それはセネガルというアフリカの西のはしにある国の教会で歌われる歌で、何度も聞いているうちに、意味のわからない歌詞をてしまい、学校でいつも一人で歌っていました。みんなからは変人あつかいされましたが、これがアフリカの音楽との最初の出会いでした。
「イマノーサビナ、イマノーサビナ、イマラギモノーサビナァ」
という歌で、今でも歌えます。それまでオーケストラの音楽ばかりを聞いていた僕にとって、それは感動的な音で、音を聞いているだけなのに、歌っている人の声が目に浮かんできました。

ラジオの音を聞いてからというもの、私の耳の中では増々リズムが鳴りひびきはじめ、それは「太鼓をたたきたい」という強い衝動に変わっていきました。そこで、普通なら「太鼓を買ってこよう!!」ということになるのでしょうが、私の場合、何故か「太鼓をつくりたい!!」という気持ちになりました。東京という都会のどまん中にある私の家では材木を手に入れ、作業するのは困難でしたが、時折街路樹や、公園の木が切り倒されることがあり、ある日私は公園で切りたおされたモミジの木を一本肩にかついで持ち帰り、ノミであなをあけ始めました。しかしその木は数日後、ものの見事に割れ目が入り、とてもではないが、太鼓にはなりませんでした。残念!!

北海道に来てから、私は学者になることを目指して頑張って(いるつもり)いました。様々な研究者のあとをついて手伝いをしていたのですが、あまりに熱中しすぎまして(^。^;)、その結果が留年(落第)です。留年すると半年間全く学校に行く必要がなくなってしまいます。留年が決まった時は両親に申し訳ないと泣きたいような気持ちになりましたが、20分後に友人に出会うと、「いいなあお前、半年間好きなこと出来るんだろ」とやけにうらやましがっていたのです。その次の瞬間頭に浮かんできたのは、子どもの頃からのあこがれの地であるアフリカに行くことでした。アフリカの音、色の感覚、おしゃれ、食べ物、昆虫、森の様子など、それら全てに強い興味を持っていたので、これは何が何でも行かなければと、すぐにアフリカ熱帯雨林の旅を計画しました。でもお金が全く無かったので、まずはアルバイト(遺跡発掘)を始めたのですが、そのアルバイト中にひろったのが大きな太い竹筒です。本当は発掘に使う竹べらをつくるためのものだったのですが、そうとは知らずにその竹筒に研究の手伝い時代にシカからはぎとった足の皮をかりつけ、いざアフリカへの向かったのでした。

竹筒太鼓を持ってついにわたしは中継地であるケニア共和国到着しました。初めての外国経験!! 周りは色の黒い人ばかりで、始めはかなりこわかった。町中で何となく竹筒をとり出し、たたいてみるが、街は音がすごくて、かき消されてしまうのか、誰もふり向いてはくれない。夜になった。ホテルの従業員がビールを飲もうとさそってくれた。いっしょに飲めるのかと思ったら、さんざんたかられ、もう金も底をつき、小さなホテルの一室に戻ると、となりの部屋で何か大さわぎをしている。何かと思って近づくと、部屋のとびらをあけ放って、パキスタンから来た若者たちが遊んでいた。仲間に入れてもらい、パキスタンの歌を習ったが、僕が歌詞を間違うと、みんな大笑いする。そのうち仲間の一人が、笑いながらうしろにのけぞった。彼の背後には私の大切な太鼓が置いてあり、彼の背中にぶつかって真っさかさまに床にたたきつけられた太鼓は、まさに竹を割ったようにまっ二つに割れ、うんともすんとも鳴らなくなりました。ガビーン。ショック!! 太鼓をゴミ箱に捨て、私は次の目的地、カメルーン共和国へと向かったのでした。がんばれ 山北。

私は次の目的地であるカルメーンにようやく着いた。しかし、そこは何もやる気が出ないほどとにかく暑い! だけどそれにもめげず、その時の目的だった昆虫採集のために、どんどん田舎の方に向かった。ピグミー族の小屋なんかを横目に見ながら進んでいくと、コンゴとの国境の小さな町について、早速昆虫採集をはじめた。虫とりは朝6時から午後3時まで行い、毎日20kmほど歩き続けた。そんな中、現地の人々は僕になまず料理やら食べさしてくれて、とても親切にしてくれました。ところがある日、無性に太鼓が気になり、注意深く耳を澄ましていると、現地の人に言ってもわからないくらいの音だが、僕の耳に飛び込んできた。その音の出どころに行ってみると、みんなすごい迫力で、大声だして輪になって踊りまわっている中、僕は呆気にとられ、ただ立ち尽くすだけだった。

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